好きなものは好きなんです。

好きなものを好きという、簡単で難しいこと

【有岡大貴】あの頃、私はあなたが好きでした。

 

こんにちは、風邪を引きました。

 

 

風邪を引くと昔のことを毎回思い出します。

病院帰りに母さんに普段は自分で少ないお小遣いを出していた「ちゃお」を買ってもらったり、お決まりのスーパーで安い焼きプリンを買ってもらったり、飲み物はアクエリアスじゃなくて、ポカリという変なこだわりを見せたりとずいぶんとわがままな自分。

 

最近じゃ、一人で学校休んで、一人で病院行ってっていうのが普通なので、一人で家にいるときになんとなく思い出してます。

 

 

 

そんな一人の時間に思い出した話。

 

実話だから相手を有岡くんで話そうと思う。

 

 

 

 

あれは小学生の時の話。

卒業式一週間前でした。なんという運の持ち主なのか、インフルエンザにかかりました。安静にして検診でOKがもらえなければ、卒業式は不参加決定。そんな悲しいことしたくない私は必死に寝ていました。

 

でも学校に行ったとしても、一週間休むというのは卒業式の練習を全くしないでの参加ということになる。それも複雑な思い。

 

そんな三日目ぐらいのことでした。

 

 

「近所の○○ちゃんがさっき来たわよー?」と母から紙を貰いました。何枚も重なっていたノートをちぎったような紙。そっと中を覗くとそれには寄せ書きのようにメッセージが書かれていました。

 

 

携帯を持たない人が多かった、そしてみんな住んでいる場所がバラバラだったため、きっとクラスメイトは頭を使ったのでしょう。「卒業式リハなしとか笑えるから!アホ!」、「リクエスト給食美味しくて、ちなの分まで食べちゃった!!」、「なんでこのタイミングでインフルエンザ掛かってんのよ(笑)」なんていう優しいコメントからバカにしたコメントまで。でもどれも愛があるのはわかりました。

 

 

仲のいいクラスメイトはもちろん。少ししか話したことない人まで。ほとんどの人から書いてあって驚きました。

 

一番最後の紙に「はやくなおせよ~」と少し不自然で歪な平仮名。しかも、一文字一文字違う人が書いたようで矢印で名前が書いてある。その中に混じった好きな人の名前。有岡くん。

 

なんて嬉しいことさせてくれんだか。

 

 

うるうるの目で手紙を閉じようとすると紙の裏に見えた。「有岡にも書いてもらったの!!!ナイス私!!!!!」の文字。名前のない文字だったが、見たらすぐにわかった。当時仲の良くて、好きな人を打ち明けた友人からだった。

 

「バカだな」

 

内緒にしてねって言葉は小学生の私たちには少し難しい約束なのかもしれない。それでも彼女はなるべく隠し、必死に彼が書くきっかけを作ったんだろう。それに年頃の男の子で恥ずかしがっただろうから、きっとその子は有岡くんに「おい!有岡!書け!書けよ!!!!」とか少しカツアゲ気味に聞いたんだと思う。それでも嬉しい私は重症かもしれない。

 

 

 

翌日卒業式は無事参加ができました。

 

 

学校に行った時にみんなに「インフルバカ!!!」と殴されたのはいい思い出です。今でもあの紙は大切にとってあります。

 

 

 

そして、その有岡くんとはそれから久しく会ってません。元気にしてますか?今もあの可愛い爽やかな笑顔ですか?今思えばあなたの泣きぼくろ少しセクシーですよね。あ、そういえば、卒業する半年ほど前に図書室に呼んで告白しようと思ったのは私でした。知ってましたか?でも、出来なかったんですよ。だからここで言います。

 

 

あの頃、私はあなたが好きでした。

 

 

 

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